切実なる現状
昨日、青木真也が朝倉未来に倒された。
青木は寝技へ入り、朝倉はそれをしのいでパウンドを浴びせた。試合後の青木は、「完敗、以上」と言った。
そして、Anthropicの研究責任者が、AIが今後十年で全人類を倒す可能性は、個人的には十パーセントを超えると言った。
青木真也は倒され、全人類も近いうちに倒される。
すごいニュースだが、誤解を恐れず言うと、この程度のことにいちいち驚いていたら、自分の一日がなくなる。
我々の目の前には、切実なる惨状がある。
綺麗に言えば、目の前の課題である。
これが最重要だ。間違いないだろう。
我々がいま向き合っているのは、らぁめん かじの葉であり、麺ふじさきであり、依頼を受けている仕事である。
YouTubeメンバーシップのコンテンツ更新も控えている。
朝から、締切が山盛りだ。
自分で増やしたもの、依頼、案件。ひとつ片づけると、すぐ次が来る。替え玉を頼んだのは我々なのに、麺が伸びる前にまた運ばれてくる。
しかも我々は、背脂の追加トッピングまでオーダーした。
地獄のような天国だ。
本当にありがたい。締切の火にかけられた原稿は、背脂を浮かべながら、どんどん旨みが増していく。
青木真也の敗戦も、AIが人類を倒すという情報も、我々の仕事を止めるためにあるのではない。旨み素材である。
世界で起きている信じられないことを拾い、考え、使う。
時代を目の前の仕事へ入れる。
そして昨日の自分たちよりマシにするために前進する。
世界はまだ滅びていない。原稿はまだ残っている。
素晴らしいラーメンも今日も生きている。
もう昼やんか。
