RAMEN DIARY

らぁめん かじの葉

Ramen Crazy

現在制作中のRAMEN MOVIE最新作は、千葉県松戸市にある『らぁめん かじの葉』だ。
素晴らしい映像、店主の口からこぼれ落ちた生きた言葉たちが、タイムラインの上でとてつもない熱量を放っている。一カットつなぐごとに血が騒ぎ、作っている我々自身が画面に釘付けになっている。

その興奮のど真ん中にあるのが、今日の一枚の場面だ。

製麺機と山積みの小麦粉の袋を前にして、我々は彼に尋ねた。
「なんで自家製麺なんですか?」

すると彼は、写真の通りの屈託のない笑顔で即答したのだ。

「かっこいいからに決まってるじゃないですかー!」

拍子抜けするほど真っ直ぐな言葉だった。
なぜなら、普段の彼の徹底して合理的な流儀からすれば、自家製麺という選択はむしろ非効率の極みであり、彼自身のルールに真っ向から反しているはずだったからだ。

製麺機を置く場所も、温度や湿度を管理する手間も、毎日粉と格闘する時間も、計算づくの経営という枠組みで考えれば「やらない理由」などいくらでも見つかる。

だが、「かっこいいこと」というのは、頭で考えているだけでは何の意味もない。実際にその手でやらなければ、存在しないのと同じだ。
たとえ自分が築き上げてきた合理的な流儀や、冷徹な経営の計算を自ら突き破ってでも、やるべき「かっこよさ」がこの世にはある。

なぜ、彼の打つ麺があそこまで我々の心を掴んで離さないのか。
その本当の理由を、翌日すすった一杯で、我々は完全に思い知らされることになった。

理屈や効率の壁をぶち壊し、自分自身を突き破って打たれた麺は、どうしようもないほど旨すぎるのだ。

計算の内側で綺麗にまとまった味ではない。自分の枠を飛び越えた人間の熱量が、そのまま小麦の香りと圧倒的な食感になって喉元へと飛び込んでくる。

「かっこいいからやる」
その初期衝動が合理性を凌駕した瞬間にだけ宿る、狂おしいほどの旨さがそこにはあった。

この熱量をそのまま封じ込めたRAMEN MOVIE『らぁめん かじの葉』、完成まであと少しだ。震えて待っていてほしい。